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Lamprell社が手掛ける海洋構造物

高精度を実現したLamprell社

海洋構造物エンジニアから寄せられるTeklaへの信頼:Lamprell社は、詳細設計の速さ、精度、一貫性、鉄骨部材同士の干渉チェック機能はもちろん、可視化による効果に関してもよく理解したうえでTekla Structuresを選択しました。

海洋構造物のエンジニアリング業務を請け負うLamprell社は、2007年より3次元BIMソフトウェアTekla Structuresを利用しています。同社の従業員は元々2次元志向で、Tekla Structures導入前までは3次元での設計経験はほとんどありませんでした。

まずLamprell社では、従業員に3次元のメリットを理解させ、AutoCADから移行させるという非常に大きな課題がありました。この移行は見事に成功しています。同社のエンジニアリング部門では、図面の精度に関して製作チームと議論することがなくなったという事実も相まって、Tekla Structuresなしでは作業できないとある従業員は語っています。

Tekla Structuresは、他の3次元モデリングソリューションと比較して、より大規模かつ複雑なプロジェクトを扱うことができ、4D可視化を含む初期のコンセプト研究から構造・安全システムの設計、持続可能性の検討、さらには試運転や改修、最終的な廃炉までずっと活用できます。

同社では、Tekla Structuresの構造部材をPDMSにインポートしてSDNF形式の3次元構造モデルに変換する作業を行っており、Tekla Structuresを鉄骨部材すべてのライフサイクルに活用する予定です。

圧倒的な精度の向上
今や、Lamprell社の構造設計者は全員Tekla Structuresのみで作業しており、構造設計部門の効率性はおおいに向上しました。調整の問題を乗り越えることができれば、将来的には、少なくとも30~40%の効率アップが図れると考えています。

At Lamprell社では、やり直し作業で材料とマンパワーを無駄にしていないため、図面の正確性が直接製作コストに比例します。同社では数多くのカスタムコンポーネントとマクロが作成され、モデリングプロセスのスピードアップを図っており、これからも継続して開発が行われる予定です。

台船の製作にTekla Structuresを活用
台船の製作にTeklaソフトウェアを使用するという計画には、導入当初いくらか疑問が呈されましたが、ソフトウェアの精度を考慮し、3次元モデリングを利用したほうがよいだろうと満場一致で採用が決定しました。

船は湾曲形状ですが、この決定はその当時においては最善の結論でした。批判的だったプロジェクト関係者でさえ、もし導入していなければ、あれほど自信を持って、2次元のごとく迅速に作業することはできなかっただろうと述べています。

 

Tekla Structuresを利用した台船プロジェクトにはチェッカーを含め6人が参加しました。モデリングされた台船は、約4~5カ月のうちにプラットフォームや手すりなどあらゆる詳細情報が抽出できるようになりました。プロジェクトの参加人数は10人にも及べば、Lamprell社はインターフェースの一貫性を保てる自信が持てなかったかもしれません。Tekla Structuresのおかげで、彼らはこうした課題に直面することはありませんでした。

コンポーネントや詳細部をすべてモデリング
台船を細かくモデリングする必要があったLamprell社にとって、カスタムコンポーネントが少なかったことが一番の課題でした。図面にすべての溶接準備(段取り)情報を含めなければならないため難しく、すべてをひとつずつモデリングしなければなりませんでした。チームはプロジェクトの進行に合わせてカスタムコンポーネントの作成を始め、最終的にはライブラリを完成させました。これは同社における今後のプロジェクトに役立ちます。

「プロジェクトを成功させるのに特に役立ったTekla Structures独自の特徴は、例えば斜角の詳細をモデリングする必要なく、隔壁やフレーム、マンホールをコピーできる機能です。また、正確な配管の属性情報も扱うことができます」と、Lamprell社の構造部門リードデザイナーであるKanakaraj Thomas氏は述べています。

将来的には、同社はTekla Structuresを溶接のナンバリングに活用しようと考えています。チームは、Tekla Structuresのサポート体制に厚い信頼を寄せており、ソフトウェア上での帳票類管理の容易さや図面の変更記録の保持機能にも大変満足していると語っています。

モジュールごとの建設

FPSO(浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備)は、ブリンディジから50km北東のアドリア海に位置する海洋構造物です。上甲板のモジュールは2010年のTekla Middle Eastモデルコンペティションにエントリーされ、海洋構造物プロジェクト部門の最優秀賞が贈られました。

モジュールは、マルチポイント・サポート・システムで適切に固定されて支えられており、船体構造との作用を最小限にしています。FPSOには、海底のウェルヘッド(坑口装置)から直接原油が運ばれます。石油、ガス、水に分け、ガスを人工採油要件に合わせてガス田に注入し、安定化させた原油を貯蔵して、それをホースで降ろしてFPSOに定期的に係留させるタンカーで輸出します。このプロジェクトでのLamprell社の請負範囲には、台船および他社が建設したタレット(小塔)と一体化した上甲板のモジュールすべての建設が含まれました。

 
LQプラットフォームとブリッジ
LQプラットフォームは、2011年のTekla Middle Eastモデルコンペティションで産業鋼構造物プロジェクト部門の最優秀賞が贈られ、同年のTekla Global BIM Awardsにノミネートされました。このプラットフォームは、英国領北海の30/6および30/7ブロックにあるガス凝縮貯留層ジャスミンフィールドに位置します。

ジャスミンフィールドの開発は、ジュディー・プラットフォームの背後に連結したウェルヘッド(坑口装置)・プラットフォームおよび既存のプラットフォームと連結したライザー・プラットフォーム・ブリッジで構成されています。ライザー・プラットフォームは、ジャスミンのための一次分離施設を含む予定です。ジャスミンのウェルヘッド・プラットフォームは、橋と連結した居住プラットフォームで支えられる計画になっています。この居住プラットフォームは32人が生活できるように設計されています。