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AME-2およびAWG-1のボートランディング

Pinnacle社は、オランダ沖での安全で信頼性の高いボートランディング(船着場)の開発と構造エンジニアリングを支援する構造エンジニアリングコンサルタントに指名されました。このボートランディングは、作業員が石油プラットフォームへの行き来に利用します。エンジニアリングの主な課題となったのは、海面とプラットフォームの「スパイダーデッキ」の間にある既存ジャケットに 、ボートランディングを設置することでした。このボートランディングは、2mの潮差の範囲内で船から安全にアクセスできなければならず、接岸後は安全なステップを使ってスムーズにスパイダーデッキに移動できることが求められます。

さらに、高額なジャッキアップバージではなく、プラットフォームのクレーンを使って構造物を設置する必要もありました。他の海洋構造物プロジェクトと同様に、安全性が最優先で、いかなる状況でも既存のジャケット構造にドリルで穴を開けたり、溶接したりしてはいけませんでした。また、現場での手直しもなく、安全かつ正確に1回で設置する必要があったのです。設計が仕上がると、Pinnacle社は次に製作図面一式を作成し、オランダのファブリケーターに提供しなければなりませんでした。

固定用のクランプは正面から簡単に設置、アクセスできる必要があり、必要な寸法許容差内に納めなければならないため、設計では重要な要素になりました。

下部のクランプは、海水位がクランプの底面より下になる非常に短い時間の中で設置する必要がありました。正確性も必要不可欠で、新規構造物の設計許容値内で建設しなければいけないという課題もありました。

設計内容に加え、風、波、潮、衝撃条件も評価したのち、 ボートランディングの構造を解析してTekla Structuresで詳細設計を行いました。さらに、運搬と設置を段階的に行えるかどうかも確認しています。輸送とプラットフォームへの吊り上げにおけるサイズと重量の制限を守りながら、部材数を最小限に抑えることを目標としました。Pinnacle社のクライアントは、設計プロセスの早い段階で主要関係者と綿密に協業すること合意しており、そのかいあって効果的な設計コラボレーションが実現しています。鉄骨ファブリケーター、船のオペレーター、設置およびロープアクセスの業者が、構造設計と詳細設計の段階から参加することで、主要クランプとフレームの設置業者が推奨する方法で確実な作業が行われました。

Tekla Structuresの活用

Pinnacle社はオリジナルのAs-built図面を用いて3次元モデルを迅速に作成しています。この初期モデルは構造物とクランプの基本設計を作成する基礎となりました。同社では、このモデルからTekla BIMsightモデル(特定の詳細部のビューを含む)を作成し、クライアントとオランダの設置業者との会議で活用しています。イメージを詳細かつ明確に提示したことで、クライアントのチームとの調整が円滑に進んでいます。また、初期段階で主な課題を挙げることができたので、設計変更も容易でした。さらに、必要な許容値を正確に伝え、現場調査の必要性を訴えるのにも利用しています。

Matt Byatt氏(Pinnacle社):「設計プロセスにおいて重要だと思う段階では、3D PDFを作成してクライアントやチームに提示するようにしています。レーザースキャンのデータはdxf形式でモデルにインポートし、モデル内の重要な位置決めポイントと一致させています。これにより、チューブ部材の内側の正確な位置を把握することができたのです。」

この設計コラボレーションによる成果は、ボートランディングを 2か所に「1回で正確に」 、「期日までに設置完了」できたことでした。コスト効率も非常に高く、難しい状況にもかかわらず事故もなく、現場での修正も必要ありませんでした。