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ビェルグステ・フィナンシャル・パーク

ノルウェー・スタバンゲルの革新的な木造オフィスビル

ビェルグステ・フィナンシャル・パークはSpareBank 1のオフィスビルとしてノルウェー・スタバンゲルに建設されました。

地上の構造物には基本耐力部材として木材(自然で再生可能かつ容易に入手できる現地の材料)を使用しています。床は直交集成板パネルで、集成梁と集成柱で支えられています。強度と複雑な形状要件を考慮して、ブナの単板積層材も使用されています。地下の3階はRC造です。主要部の木造部材は強度を考慮して設計されており、高精度で加工することで、ほとんどの木材を金属製の留め具を使用しない直接接合にすることができ、建設プロセスの短縮を図っています。Tekla Structuresの先進的なモデリング技術により、梁は意匠的な美しさはもちろん、実用面での要件も満たしています。

本プロジェクトでは伝統的な建材である木材と現代的な設計・製作技術を組み合わせています。 設計チームにはDegree of Freedom社が参加しており、概念設計から建設まで関わっています。また、プロジェクトの全工程で建築事務所のHelen & Hard社とSaaha社が協業し、基本設計段階では木材のエキスパートであるCreation Holz社から素晴らしい技術サポートを受けています。さらに木材の主要ファブリケーターであるMoelven Limtre社とも緊密に連携しました。

BIMの活用

北欧では、建築とインフラプロジェクトのいずれにおいても、BIMを活用することは一般的になってきています。そのため、基本設計以降のすべてのプロセスでグローバルなBIMモデルを通じた情報共有を行うことが施主からの要件として提示されました。各プロセスで3次元設計ソフトウェアを使用し、IFC形式でデータをエクスポートしてSMC形式でグローバルモデルに統合しています。この統合モデルはBIMマネージャーが干渉チェックと各設計の調整を行うのに使用しました。

設計者からのBIMモデルデータを木材のファブリケーターが直接自社のソフトウェアに変換させ、NC加工機と連動させて工場での加工に使用しているということは非常に重要なポイントです。すべてを3次元で詳細に設計することで、追加の製作図を作成する必要がなくなります。

ビェルグステ・フィナンシャル・パークは、伝統的な建材である木材を使用し、耐荷重構造の現代的なオフィスビルに仕上げていることが画期的であると言えるでしょう。強度を考慮して設計された木材を高精度で加工し、建設プロセスの短縮を図っています。接合部も設計されており、最低限の金属パーツのみ使用して木材同士を接合しています。また、最新技術だけでなく、セルフタッピングの木ネジと金属の長ネジを使って補強しています。本プロジェクトでは、BIM特有のメリットが基本設計から製作まで存分に活用されています。