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アマー・バッケ:BIMを活用したヨーロッパ最大級の環境プロジェクト

大規模な環境プロジェクトがコペンハーゲンで実施されました。ごみ焼却とエネルギー回収を目的とした新たなプラント「アマー・バッケ」は、スキーのスロープとクライミングウォールが併設され、2017年まで40年間使用されてきたアマー焼却炉に取って代わりました。敷地面積41,000平米、高さ80メートルの建物で、環境にやさしい新たな方法で一般廃棄物を熱に変換しています。

建設は2013年3月に始まり、2017年に完成しました。大規模なこのプロジェクトでは、鉄骨5,000トンを建物の構造に使用し、基礎には2,400本の鉄筋コンクリートの杭が打ち込まれ、35,000立米のコンクリートで覆われています。

アマー・バッケは、近隣住民のレクリエーション広場にもなっています。設計段階で、年中利用できるスキー場のスロープとクライミングウォールを頂上に併設する計画が進められ、実現可能性の検討が実施されました。

デンマークのエンジニアリング会社Moe A/S社は、構造物の計画とアマー・バッケ・プロジェクトの指揮を担いました。Tekla Structuresを利用してリベットからボルトまで、建物の細部までを詳細にモデリングし、数量明細書や入札リスト、注文カタログの生成や建設管理にも活用しました。

Tekla Structuresは、3~6人の製図工やモデリングチームによって日々一貫して使用され、構造エンジニアはモデル内の入り組んだ詳細箇所の確認や寸法計測を行ったり、他のプロジェクト関係者とモデルを共有して作業しました。

モデリングによるコラボレーションの拡大
BIMモデルのおかげで、Moe社は建設が始まる前段階で、不具合を削減することができています。これにより、同社はスケジュールを順守し、予算内でプロジェクトを遂行することができるのです。BIMは建設プロジェクトのさまざまな関係者にとって新しい改善されたコラボレーションモデルを実現します。

「私たちは、プロジェクト全体を通して『BIMシンキング』を取り入れています。Tekla Structuresは、鉄筋コンクリートの詳細設計、鉄骨の詳細設計、4Dスケジューリング、数量分析など、このプロジェクトのさまざまな領域に使用されています」と、Moe A/S社のヘッドプランナーでTekla StructuresのスーパーユーザーであるAnders Bilgaard氏は述べています。

プロジェクトの進行とともに、情報モデルは各関係者向けに定期的に更新されました。これにより、クライアントは全関係者から集められたプロジェクトの最新情報や建設の進捗情報にコンスタントにアクセスすることができたのです。

「今回のようなプロジェクトでは、さまざまな関係者間で効果的なコラボレーションや情報交換を確実に行うことは非常に重要です。Teklaモデルは、情報の流れをオープンにしてくれます。例えば、このプロジェクトで私たちは鉄筋をモデリングしたのは、関係会社に正確な寸法を渡したかったというのが大きな理由です」とBilgaard氏は言います。

すべてがモデリングされると、関係会社が使用する鉄筋の本数を容易に管理できるようになります。以前は、私たちが設計図を用意し、寸法は彼らが手で計算して算出していたのです。非常に時間のかかるプロセスでした。Tekla Structuresでは、設計図や寸法がモデルから直接出力できます。情報は常に正確なので、クライアントにとっても有益です。将来的には、関係会社がモデルからさまざまな情報を取り出せるようになると思います」。(Moe A/S社Anders Bilgaard氏)