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北海油田プラットフォーム建設の変革

北海油田プラットフォーム建設の変革

ノルウェーの海洋構造物建設会社であるAibel社では、Teklaソフトウェアが油田プラットフォームの設計・製造業務において主要な役割を果たしています。現在、Aibel社が手掛ける巨大なヨハン・スベルドラップ油田のプロジェクトは、熱帯地域にあるタイの造船所から北海の荒波の中へと移行していきます。

ヨハン・スベルドラップ油田は、ノルウェーの海洋開発の歴史の中で特別な位置づけにあります。

2010年に発見されたこの油田は、北海のスタヴァンゲルの西約140kmに位置します。1960年代後半から石油開発を行っており、石油が枯渇したと考えられていた地域で発見されたため、関係者に驚きをもたらしました。現在の運用は2050年まで継続され、約27億バレルの原油が生産される予定です。これにより、ヨハン・スヴェルドラップはノルウェー史上最大の油田の一つとなりました。

ノルウェーの国会議員であり、初代首相であるヨハン・スヴェルドラップ氏の名がつけられた同油田は、国営エネルギー企業であるEquinor社によって2019年10月に生産を開始しました。2022年まで続く、プロジェクトの第1フェーズでは4つの固定式プラットフォームが設置され、5つ目のプラットフォームは後に追加される予定です。

 

課題をチャンスに変える

ヨハン・スベルドラップ油田の2つのプラットフォームは、ノルウェー企業であるAibel社が設計・製造しています。130年以上前に設立されたAibel社は、世界のエネルギー産業においてエンジニアリング、建設、保守運用サービスを提供しています。同社は、ノルウェー、シンガポール、タイにあるエンジニアリング会社や造船所に約4,000人の従業員を抱え、現在までに50以上のプラットフォームを建造・改造しています。

エネルギー産業に関係する多くの事業者と同様に、Aibel社も過去に原油価格急落という問題に直面しています。この価格変動により、プロジェクトの中止や延期、協力会社への支払いの大幅な削減を余儀なくされました。

常に効率を高め、競争力を維持するためのイノベーションを模索しているAibel社にとって、自社のオペレーション改善に注力することは当然のことでした。2013年には、エンジニアリングにかかる時間を最大30%短縮するという目標を設定しました。この目標を達成するために、Aibel社は工事関連書類の作成方法や、異なる拠点で働くチームメンバーがより効率的に働く方法を詳細に検討しました。このような背景の中でAibel社は、Teklaソフトウェアを導入し、同社において幅広くTeklaのモデル共有機能が活用されるようになりました。

Ole Kristian Halvorsen氏, Project Manager for Tekla  Implementation. 写真提供: Aibel社

「シンガポールとタイを拠点とするメンバーは、既にTeklaを使用しており、東南アジアにおいて付加価値の高いエンジニアリング業務を行っていました。彼らの生産性の高さや、膨大な量の図面等の書類を効率的に作成する機能を実際に目にし、他のプロジェクトにおいてTeklaをどのように活用できるかを研究するチームを作りました。」とAibel社のフィールド開発・洋上風力発電担当ITマネージャーのCharles Halaas氏は語ります。

Ole Kristian Halvorsen氏 は、図面作成工程の効率化を検討するこのチームのリーダーに任命され、Aibel社のさまざまな部門の従業員がこのチームに招集されました。

 

“デジタル化を進めなければ、十分な競争力を維持できず、将来的にプロジェクトを失注するリスクがあります。製作可能な高精度の3Dモデルの活用は、非常に効率的な手法です”

効率的な設計と製作の自動化

このプロジェクトには、石油・ガス業界における標準要件の準拠やTeklaソフトウェアと既存ソリューションの統合などの課題がありました。

「設計モデルとファブリケーションモデルは常に同期する必要があります。しかし、私たちの業界で広く使用されているE3D で作成した設計モデルと、Teklaソフトウェアの3次元ファブリケーションモデルを連携させることが初めの課題でした。」とHalaas氏は言います。
「Teklaソフトウェアで3次元設計を行うエキスパート達の協力を得てこの課題を解決し、Teklaによる図面作成の半自動化に成功しました。」

Teklaを製作工程に導入することにより、Aibel社のもう一つの重要な開発分野であるロボット工学にも貢献しています。Aibel社では、最新鋭のコンピュータ制御の切断機を製作工場で使用しています。これらの工作機械はTeklaソフトウェアと統合されており、設計・製造プロセスにおいて高度な自動化を実現しています。

Halaas氏は、「この統合の最大のメリットは、プロファイル切断機にあります。例えば、2本の鉄骨梁を指定位置で交差する場合、交差した箇所が接合部となります。接合部分の切断は非常に複雑な作業ですが、以前は機械鋸を使って手動で切断していました。現在は、Teklaモデルの情報を元にロボットを誘導し、高精度な切断作業が可能となりました。」と述べています。

「一般的に、従来の多くの設計ツールは製作現場での使い勝手が悪く、く、ロボットを効率的に動かすことができませんでした。」と彼は言います。「しかし、Teklaソフトウェアは、工作機械との連携に適したデータ形式で正確な情報を生成します。当社は製作工数と品質において、、最大95%の効率化を実現しました。」

現在、最大級の石油プラットフォームの建設を担うAibel社にとって、このような業務効率化の実現は重要な意味を持っています。ヨハン・スべルドラップ油田の第2期で建設するプラットフォームの上甲板は重量約25,000トン、7,000枚以上の構造図を作成することになっており、Aibel社において最大規模のプロジェクトとなります。

写真提供: Eivind Berg / BuildingPoint Scandinavia

Halaas氏は次のように述べています。「ノルウェーとタイの事業所では、デジタルファブリケーションに注力しています。Aibel社では、さらに踏み込んだ工作機械との連携と製作の自動化に対応した3D設計手法を確立したいと考えています。これは私たちが描く現場のデジタル化のビジョンです。デジタル化を進めなければ、十分な競争力を維持できず、将来的にプロジェクトを失注するリスクがあります。製作可能な高精度の3Dモデルの活用は、非常に効率的な手法です。

作業の効率化に加えて、ロボットの改良によって従業員が重い資材を持ち上げて切断する必要がなくなり、製作現場の安全性が向上しました。」

写真提供: Eivind Berg / BuildingPoint Scandinavia

 

“Teklaはソリューション志向の企業なので、私たちが抱える様々な課題の解決に尽力してくれました。またTeklaの導入を成功させるために、Teklaのスペシャリストチームもサポートしてくれました”

パイロットプロジェクトとインフルエンサーのサポート社内のあらゆるレべルの従業員からデジタル化に対する賛同を得るために、Aibel社はパイロット・プロジェクト・アプローチを採用し、社内で影響力を持つ従業員たちの協力を求めました。Teklaのモデル共有機能がもたらすメリットやサポート機能を広く理解してもらうことで、多くの従業員の考え方を変えることができました。

工作機械の写真提供: Eivind Berg / BuildingPoint Scandinavia

「この意識変化は私たちにとって大きな飛躍となりましたが、全事業部門の従業員からの信頼、コミットメント、そして懸命な努力が必要でした」。とHalaas氏は言います。「クラウド上で操作ができるTeklaの導入により、他拠点にいるチームメンバーとの協業がしやすくなり、世界中のメンバーとスムーズに作業を分担、共有できるようになりました。現在では、あらゆる地域のメンバーに図面作成を依頼することができます。」

「通常、設計作業はノルウェーで行い、タイやシンガポールで図面を抽出して製作業務をしています。これまでのプロジェクトでは、Teklaモデルをクラウド上で共有することができなかったため、このようなグローバルな仕事の進め方は非常に難しく、作業を中断しなければならないことも多くありました。現在は、より柔軟に作業を進めることができます」。と述べています。

「Teklaはソリューション志向の企業なので、私たちが抱える様々な課題の解決に尽力してくれました。またTeklaの導入を成功させるために、Teklaのスペシャリストチームもサポートしてくれました。」

「Teklaソフトウェアは、Aibelの将来においても非常に重要な役割を果たして」

Aibel社は、石油・ガス・洋上風力発電分野におけるリーディングサービスカンパニーです。Aibel社は、プロジェクトのライフサイクル全体を通して、エンジニアリング、建設、アップグレード、保守において、お客様に最適で革新的なソリューションを提供しています。

Aibel社の高い技術を持つ4000人の従業員は、ノルウェーと東南アジアに拠点を置き、お客様の近くに事務所を構えています。ノルウェーのハウゲスンとタイには、2つの近代的な造船所を構え、プレファブリケーションと建設の機能を備えています。
www.aibel.com

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