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Maren社の循環流動層(CFB)ボイラー

地震地帯にある発電プラントと煙道ガス洗浄システム
Maren Maras社の製紙工場に新たな処理プロセスが導入されることになり、これに必要な電力と蒸気はトルコ、ソケに建設される発電プラントから供給される予定です。Valmet社が提供するマルチ燃料対応ボイラーの投入により、製紙工場で排出される副産物や廃棄物を再利用できるようになります。構造設計を請け負ったA-Insinöörit Suunnittelu社のチームは、地震に関する専門的な情報も提供しました。業務範囲には、ボイラーの他に、煙道ガスとリアクターのダクトをはじめ、給水タンク用の建屋、燃料と貯炭サイロ用の支持構造物、電気集塵装置、フィルターバッグも含まれています。ボイラー建屋の屋根の高さは約52メートルです。

この発電プラントが建設されるのは、地盤に支持力がほとんどなく地震が頻発する地域のため、筐体設計に多くの要件が設定されました。トルコの設計基準に従って進められたので、構造体の接合部は特殊な検討が必要とされ、これは設計納期を守る上での課題になりました。全部で約12,400個の組立部材がモデリングされ、22,500枚の図面が印刷されました。もっとも難しかったのが、柱2本と補強板3枚で構成する複雑な接合部の設計です。大量の図面が必要でしたが、予定通りに納品できました。組み立てに使用する部品の点数がかなり多かったので、より簡単に編集を行えるように接合部のモデリングはマクロを効果的に使用し、その結果すべての接合部に不具合がなく、製作図の枚数を大幅に減らすことができました。高い水準の作業が求められるプロジェクトでしたが、接合部のマクロのカスタマイズにより、非常に優れた結果を生み出しました。特殊な許容値が必要な接合部については設計時に検討され、全関係者間で優れたコラボレーションを実施したおかげで、本プロジェクトはスケジュールを順守することができました。

  

モデリングで接合部の詳細設計が向上し、設計のエラーを最小限にまで低減
本プロジェクトでは、様々なセクションで多様な配管設計と構造設計を調整し、適合させるためにTekla Structuresの使用が必要不可欠でした。プロジェクトのタスクは入札段階で早々に振り分け、接合部の詳細設計を効果的に行ったため、図面生成を素早く行い、設計エラーを最小限に抑えることができました。配管設計者が示した温度ムーブメントは、構造設計者が詳細設計で考慮しました。Teklaモデルは解析用のStaadソフトウェアに転送され、自社独自の計算プログラムとExcelテンプレートはもちろん、RFEMソフトウェアも構造の解析と計算に使用されています。発電プラントの最終的な構造モデルを繰り返し利用できるように、筐体はプロジェクトの早い段階でTekla Structuresから解析ソフトウェアに転送されました。鉄骨製作工場では、材料発注にTeklaモデルを使用しています。完成したセクションのTeklaモデルの最新の生データは生産工程に必要となるため工場に送られました。BIM会議でレビュー済みの構造・配管設計の統合モデルを使用したので、プロジェクト情報を簡単に共有できました。解決が難しい問題が生じても、スケジュールに影響を与えることなく解消しています。

配管設計は、構造設計を実施する際に活用されました。構造鉄骨部材がプラント配管の架台と接続するポイントでは、構造部材はIFCデータをTekla Structuresの生データに変換するか、IFCを参照情報として製品図に表示して確認しました。水準の高い詳細設計は、エラーゼロにつながっています。これは、プロジェクトチームがシームレスなコレボレーションを実施し、理解を深めた賜物です。定期開催されるBIM会議で元となる情報を見直したことで、情報依頼書の数が減少しました。

A-Insinöörit Suunnittelu社の独自のカスタムコンポーネントと接合部のマクロをはじめ、Aveva PDMS、Navisworks、Solidworksソフトウェアもプロジェクトで使用されています。本プロジェクトのモデリングと詳細設計段階はすでに完了し、図面とBIMモデルはいずれも施主に納品されました。

プロジェクト関係者
施主、マルチ燃料対応ボイラー供給会社:Valmet Technologies社

構造設計、詳細設計: A-Insinöörit Suunnittelu社

地震に関するコンサルティング:A-Insinöörit Suunnittelu社

協力会社(サイロ構造物、コンベヤー): Raumaster社

協力会社(サイロ構造物): Kopar社