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スロバキア新国立サッカースタジアム

新しい国立サッカースタジアムある「テヘルネ・ポレ・スタジアム」は、スロバキアのサッカースタジアム近代化における過去最大の投資額となるプロジェクトです。

新スタジムは、旧テヘルネ・ポレ・スタジアムの跡地に建設され、スタジアム周辺の環境を維持しています。また、欧州サッカー連盟(UEFA)が定める基盤規制の最上位となるスタジアム・カテゴリー*4 に分類されており、フロアスペースには、VIPエリア、スカイボックス(テラス座席)、会議室を備え、地下には、1,000台以上を収容できる駐車場を完備しています。
*スタジアム・カテゴリーは1~4で評価

スタンドの屋根には、最先端の手法である膜構造の片持ち屋根が採用され、日陰の確保や悪天候に対応するためにスタンド全体が屋根で覆われています。この片持ち屋根はトラス構造で構成されており、個々の構造体はRC基礎に支持されています。

北スタンドの構造体後方部分の外壁材は、RC基礎に固定された屋根とタイロッドによって支えられています。西スタンドの屋根は、接合した2スパンの鉄骨構造体によって支持されています。同一形状をした東グランドスタンドと南グランドスタンドの屋根は鉄骨柱に接合され、膜構造の後方部分は鉄骨製の水平片持ち屋根と2本のテンショントラスで構成されています。2つの構造体で構成された鉄骨造の屋根は現場で組み立てられました。全スタンドの屋根構造の安定性は、トラス状に配置されたブレースによって確保されています。

また、膜に沿った凸状の上弦部材の構造膜は、漏水の原因となる膜同士の接触を避ける工夫がされています。12メートルの屋根前方部分には、採光のために10mm厚のポリカーボネート板が設置されました。建て方では、縦方向の8.15mのテンショントラスの中にある斜材が片持ち屋根の安全性を確保し、特に膜の挙動を補強しています。

この新スタジアムの建設は、独自の形状や構造の複雑さの点において、ユニークで難易度の高いプロジェクトとなりました。