Clark Pacific社:効率性、生産性、品質を向上

Clark Pacific社は約50年にわたって、米国西海岸の活気溢れる都市景観作りに従事しています。外壁および躯体用のプレキャストコンクリートの設計から施工までを請け負う同社は、話題の商業施設や住宅、駐車場、米ナショナル・フットボール・リーグのサンフランシスコ・フォーティナイナーズの本拠地「リーバイス・スタジアム」(サンタクララ)をはじめとするスタジアムなど、2,500件以上の大規模構造プロジェクトを手掛けており、これまでに数多くの賞を受賞してきました。継続的にプロセスを改善し、より優れた構造物を納品することで、同社は高い評価を受けています。

設計から製作、現場搬入の一連のプロセスにおいて効率的な工程管理を牽引したのが、Clark Pacific社シニア・プロジェクト・マネージャーのMartin Scheiber氏です。Tekla Structuresを利用することで製作の大部分のプロセスを標準化し、構造設計からプレキャストコンクリート・鉄筋の製作、調達、プロジェクト管理までの工程を効果的に統合することができました。この業務改革によって、手戻りによる現場への影響を最小限に抑え、建設を迅速に行い、プロジェクト全体のコスト削減を実現しています。

「実のところ、建設の生産性はここ50年間向上していません。そこで、自社の生産性を上げるために、建設業界以外からインスピレーションを得ようと考えています。良い結果が出るなら、テクノロジーの活用方法も臆することなく変えていきたいと思っています」。(Scheiber氏)

元々同社ではBIMを利用しており、協力会社との調整や、プロジェクトモデルからの図面生成を行っていました。これにより、現場での納まりの確認や、エラーのない図面作成を実現していましたが、プロジェクトの生産性とTekla StructuresによるROI(投資利益率)のさらなる向上を目指したのです。

正確でコンストラクタブルなTeklaのBIMモデル情報をもっと広範囲で活用すれば、自社のBIM運用はかつてない高水準にまで引き上げられるのではないだろうか、と考えました。

現在、Clark Pacific社はTekla Structuresを活用して営業活動や入札、積算、設計開発、プロジェクト管理、サプライチェーンマネジメント、現場計画、施工までのプロセス改善に取り組んでいます。

 

正確な積算で、入札を勝ち取る

Clark Pacific社は、Tekla Structuresを使用して高い精度で積算を行うことで、入札を勝ち取っています。プレキャストコンクリート部材に分解できる建物の3次元BIMモデルを作成するところから始め、次にTeklaモデルから直接Excelにデータを流し込んでレポートを生成します。積算者がこれらのレポートを概略報告書としてまとめ、現実的なコストを算出します。このコストでは、同社による試作品製作や、プロジェクトに必要となる正確な製作ベッド数と作業員数を組み込んだ現場計画も考慮されます。

「Tekla Structuresのおかげで建物のコンセプトモデルを迅速に統合できるので、入札で自社システムの強みを視覚的に提示し、施主のニーズを満たすソリューションを提供できるということを証明できます。プレゼンや作業コストの見積もりをモデルベースで行い、たくさんのプロジェクトで入札を勝ち取ってきました」。(Scheiber氏)

 

効率的な設計とコラボレーション

設計開発段階では、Teklaのモデル標準化の機能を用いて、重複するモデリング作業を削減し、全員が同一のモデル情報を共有して作業しています。TeklaモデルをIFC形式でエクスポートして意匠設計者に渡せば、意匠で使用するソフトウェアにそのファイルをインポートできます。これにより、意匠設計チームは精度の高い詳細設計モデルを確認しながら作業を進められるようになります。

「構造の詳細モデルを意匠モデルにインポートすれば、作業効率が上がります。プロジェクトの入札前に問題点を解決すれば、手戻りを防止でき、その結果、施主のコスト削減につながります」。(Scheiber氏)

意匠設計チームと構造モデルをやり取りできれば、プロジェクトの設計開発フェーズが劇的に改善され、製作段階や施工現場でではなく、バーチャル環境で問題を解決しておくことができます。

 

スピードと精度

Tekla Structuresでは、基本的なプロファイル、形状、パーツのライブラリが提供されているので、Clark Pacific社は正確なデータを有するコンストラクタブルなプロジェクトモデルを構築することができています。また、自社の基準や設定、図面テンプレートを追加して、プロセスのさらなる簡素化にも取り組んでいます。

「モデルを迅速に統合できれば、プロジェクトの付加価値も高まります。Tekla Structuresの標準コンポーネントを自社設定に合うようにカスタマイズしているので、どんどん効率性が上がっています」。(Scheiber氏)

 

 

 

情報とプロジェクト管理

Clark Pacific社のプロジェクトマネージャーは、コンストラクタブルなTeklaモデルに含まれる情報を利用して、プロジェクトの進捗や課題を伝達し、品質を確保しながら現場での問題発生を低減しています。標準的なTeklaのレポートとカスタムテンプレートのレポートを組み合わせて、承認のための基準設定や予算の見直しも行っています。

 

「当社のレポートの中には、作成に工数がかかるものもありますが、Teklaのカスタムレポートを使用すればほんの数分で生成することができます。また、色分けされたモデル画像を使ってレポートを作成し、プロジェクトの進捗や問題点をマネージャーに伝達する際に使用しています。モデルから生成した視覚的なレポートは、延々と続くアイテムリストや大量の概略見積りを提示するよりも、未解決の問題について意匠設計者や建設会社、施主との話し合いでおおいに役立ちます。こうしたレポートのおかげで、関係者は関連情報を簡単に把握でき、プロジェクトを稼働し続けることができるのです」。(Scheiber氏)

 

 

BIMによるプロセスの迅速化と品質管理

「正確なTekla Structuresモデルは、信頼性の高い唯一の情報源で、かつてないほど高い品質レベルを実現することができます。モデルを確認すれば正しい情報がすぐに分かるし、その情報を必要に応じて再利用することもできます」。(Scheiber氏)

「製作段階でも、品質が大きく向上しています。これまでは、現場での部材接合についての説明や、適合しなかった製品の修正にかなりの時間がかかっていました。Teklaのモデルで干渉箇所を検出して事前に解消しておけば、もっと製作にフォーカスできるようになります。モデルから直接、ベンディングスケジュール(鉄筋加工図・曲げ一覧表)を作成することもできます」。(Scheiber氏)

 

 

サプライチェーンの管理

Clark Pacific社の製作工場では、Teklaソフトウェアを使用して製作のスピードと品質を向上させ、材料コストを削減しています。

製作計画を順守するためには、適切な量の材料を適切な時期に準備することが必要不可欠です。同社ではTeklaモデルから直接レポートを生成して、調達に役立てています。レポートからコスト情報を確認できるようにしておけば、プロジェクトマネージャーが最新の予算の使用状況を把握できます。レポートは変更管理情報も分かるようになっています。

「Teklaモデルには、設計と製作工程全体で多様に再利用できる豊富なプロジェクトデータが含まれています。単に正確な図面を作成するだけにとどめるべきではないのです」。(Scheiber氏)

「Teklaモデルから、自社の鉄筋製作管理ソフトウェアと加工機にデータファイルを直接エクスポートすることができます。このおかげで、手書き図面や加工用の帳票を作成する必要がなくなります。Tekla Structuresで鉄筋をすべてモデリングするようになってから、鉄筋の製作コストが劇的に減少するとともに、製作工程での精度の改善によって品質も向上しています」。(Scheiber氏)

 

モデルから製作、現場へ

作業者が正確な情報を入手できることには大きな価値があります。Teklaを使用することで、同社では製作図面内での情報の提示方法を改善することができました。「Teklaを導入する前は、複雑な枠や形状が書かれた1枚の図面を使って、情報が混在する図面を作成していたので、品質の問題が発生していました。今では、作業に関連する情報だけが書かれた明確な図面とレポートが手元にあるので、製作の効率性と品質が向上しています」。

製作工場内では、Teklaのコラボレーションツールを使用して、プロジェクトのモデル情報にアクセスできるようになっています。各キャストユニット部材のIFCファイルを作成して、工場で働く従業員が携帯端末からモデル情報の詳細を確認したり、材料の請求書や図面に部品を関連付けたりしています。

 

 

「Teklaのソフトウェアを使って、実際に作業する製作現場でモデルを活用しています。製作者はモデル上で、組み立ての際に把握しておくべきポイントを確認します。スマホで画像を見るように指でドラッグすればいいので簡単に使えます」。(Scheiber氏)

 

 

 

 

現場計画と建て方

Clark Pacific社は、Teklaのプロジェクトモデルを使って現場監督と施工順序について事前に計画を立て、施工プロセスの簡素化にも取り組んでいます。

「Teklaでは建て方順序をアニメーションで見ることができるので、作業者は何を遂行すべきかをすぐに理解できます。これを見て全員が計画を把握できるので、現場での安全性の向上にもつながります。モデルを3次元で確認すれば、施工作業者は図面にある接合部をはっきりと検証することができます」。

また、Teklaモデルに変更があった場合、関連する2次元図面やレポートが自動的に更新されるという点も、現場での生産性向上につながる重要なメリットのひとつです。

 

「図面や帳票類が常に最新のモデルと一致するということは、プロジェクト全体でTekla Structuresを使用する大きな理由でもあります。変更箇所がモデルから生成した成果物すべてに反映されるので、迅速かつ効率的に高品質なプロジェクトを遂行することができます。Tekla Structuresは、営業活動や入札、積算、設計開発、製作、現場施工まで、プロセスのあらゆるフェーズに利用価値をもたらしてくれます」。