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ICD ブルックフィールド・プレイス・タワー

ドバイ・インターナショナル・ファイナンシャル・センターに建設された54階建てタワー
24,000メートルトンの構造鉄骨を使用したICDブルックフィールド・プレイス・タワープロジェクトを手掛けたEversendai Engineering社が、Tekla BIM Awardsで表彰されました。

本プロジェクトでのEversendai社の業務範囲は、接合部の設計から施工図・製作図の作成、BIMコーディネーション、建て方の検討と段階ごとの分析、製作、納入、塗装、耐火加工、合成床の施工、構造鉄骨の建て方に至るまで広域に及びました。これらの業務はすべて、社内の設計・エンジニアリング部で完結し、スケジュール通りに遂行しています。

クライアントはドバイのBrookfield Properties & Investment社で、プロジェクトマネージャーはAECOM社が務めました。意匠設計はFoster + Partners社、構造設計はRobert Bird Group社、設計責任者はBrewer Smith & Brewer Gulf社、施工はBrookfield Multiplex & Ssangyong Engineering & Construction合弁会社が担当しています。

タワーは54階建て、高さ282メートルで、ドバイ・インターナショナル・ファイナンシャル・センター(DIFC)に建設されました。

83,600 m²超のオフィスフロアを持つ54階建てのタワーのほか、2,700台を収容できる地下7階までの駐車場、隣接する14,000 m²の5階建ての商業センター、5階の高さにある1,670 m²の三角形の吹き抜け屋根(通称「サマーガーデン」)もプロジェクトに含まれます。

タワーの最上階から3階分は室内庭園のある「スカイビュースイートルーム」で、天井の高さが6mもあるのが特徴です。ここは張り出した鉄骨フレームと接合しています。

本プロジェクトは、LEED Gold認証取得を視野に入れて設計されました。

Eversendai社が手掛ける構造鉄骨は、主要鉄骨約24,100トンと、主要鉄骨の建て方の際に使用する鉄骨約650トンに及びます。

鉄骨で5階の高さにある4面のA型フレームを構成し、上部のコンクリート充填鋼管(CFT)柱を支えています。床のプレートは、中央のRCコア壁と外側のCFT柱に架かる鉄骨梁を持つデッキスラブです。

主要鉄骨構造は、A型フレーム(3,245トン)で構成されています。タワーにはCFT柱、床梁、スパンドレル梁、屋上および張り出し部(16,785トン)、サウス・ポディウム(1,495トン)、ノース・ポディウムの屋根とエレベーター(730トン)、ポディウム・サマーガーデン(1.845トン)が含まれます。

各A型フレームは5つの接合部(基礎に2つ、中間に2つ、頂点に1つ)があります。各接合部の重さ約70~80メートルトンあり、世界最大級のクレーンを使って設置されています。A型フレームの脚部はコンクリートを充填したダイヤモンド型の鉄骨で出来ています。

  

BIMやTeklaソフトウェアを活用するメリット
複雑な形状と各建設段階で要求される正確性を考慮すると、Teklaでの鋼構造設計はプロジェクトの成功において重要な役割を果たしました。Tekla BIMsightは屋根やファサードの施工会社、設備業者、コンクリート施工会社など他の関係者による設計との干渉箇所の特定に広く活用されました。検出された干渉箇所は設計段階で解消されています。

独特で複雑な鉄骨構造の建て方の調整が本プロジェクトでもっとも難しい作業でしたが、BIMにより設計や他の関係者との調整がスムーズになったほか、製作図面の生成や製作にも役立てることができ、スケジュール通りの施工に成功しています。